kuppykuppy’s diary

中国語で書かれた羽生結弦選手関連の文章を色々と翻訳しています。速報性皆無のマイペース素人翻訳ですが、よろしければお読み頂ければ嬉しいです。 Twitter:@kuppykuppy2020

どうして誰もが羽生結弦を好きになるのか?③

どうして誰もが羽生結弦を好きになるのか?① - kuppykuppy’s diary

(翻訳)どうして誰もが羽生結弦を好きになるのか?② - kuppykuppy’s diaryの続きです。今回もまだ途中まで。本当かな?と思う部分もちょっとありましたが、そのまま訳しています。

 

 

圧倒的な魅力がファンを惹きつける 彼を見るために年間100万円以上を使うお母さんファン

完璧と言える成績と、美しく高貴な外見やリンク内外で見せる品行により、羽生結弦は成績と人気両面において頂点に立っていて、そこに辿り着ける後発の者はなかなか現れない。とりわけ人気において言えば、羽生の影響力は今のフィギュアスケート界には右に出る者がない。そこが日本であろうとなかろうと、羽生が行く場所は全て彼の「ホーム」になり、ファンたちが彼の周りを取り囲む。トリノのパラベラ体育館においても、羽生結弦がひとたび会場に現れると天地を覆い尽くさんばかりの大歓声が起こり、日本の国旗や羽生結弦の名が入ったバナーがこれでもかと言うほどにはためいた。思わず誰かのコンサートにでも来たかのような錯覚に陥ってしまうが、これは羽生結弦が出場する世界各地の試合会場の標準装備であり、既にお馴染みの光景である。

羽生の爆発的な人気の恩恵を受けているのはフィギュアスケート界やフィギュアスケートの大きな大会の主催者たちだ。彼のおかげで多くの試合のチケット取りは激戦で、羽生の出る練習ですらチケットが販売される。ファンたちは争ってでも何とか会場に入って憧れの人の美しい姿を見たいとそのチャンスに賭ける。報道によると、今年の11月末に開催されたNHK杯でも練習のチケットが販売された。価格は2千円から1万円と高くはなかったが、それを手に入れるのは非常に難しく、ファンたちにとってこの幻のチケットは宝物のような存在であった。試合の組織委員会の発表によると、羽生の出た練習は4,888人もの観客を動員したようだ。

 

そして試合を見るのは更に困難だ。騰訊体育(テンセントスポーツ)の報道によるとNHK杯の試合チケット販売の際には4回の抽選があったが、当選しなかったファンが大勢いた。試合当日、会場周辺には「NHK杯のチケットを譲って下さい」「同行入場させて下さい」等のボードを持った大量の女性ファンが現れた。 近くのチケット窓口には「2019年から日本の法律でチケットの譲渡が禁止されています。ご注意下さい。」と掲示されていたが、彼女たちはきっと羽生結弦を見るためならリスクを犯すことも厭わないのであろう。

羽生結弦の熱狂的な日本人ファンの中にはこんな人たちもいる。多くが40歳から50歳の間で、時間と金銭の両方に余裕がある「お母さんファン」と呼ばれる人たちである。惜しみなくお金を使い、羽生結弦の試合の高額な席のチケットの大部分はこの人たちが購入する。報道によると 2017年に羽生がフィンランドで世界選手権に出場した際には、大勢のお母さんファンたちがヘルシンキまで応援に駆けつけた。300人以上が日本の大手旅行社のツアーに参加し、1人当たり日本円で平均59万円8千円を消費したそうだ。この人たちにとっては羽生結弦の試合の応援の為に毎年百万円以上費やすことも珍しいことではない。

 

羽生は日本では誰もに知られた存在であり、タクシーの運転手さえもが世間話で羽生について話すほどである。平昌オリンピックの後、羽生の故郷である仙台市が凱旋パレードを開催し、地元や日本全国のファンたちが現地に集まり彼を祝福した。統計によるとその数12万人。テレビ局はヘリコプターを飛ばして生中継でその盛況ぶりを伝えた。更に日本人の羽生に対する深い愛情を表しているのが、新生児に羽生結弦に関連した名前を付ける親が多いことだ。例えば「結月」「結愛」「結菜」等等。

中国においても羽生結弦の影響力は軽視できない。国内には柚子ファンの巨大なグループもある。体育大生意もパラベラ体育館で中国から現地に羽生を応援しに来たファンを大勢見た。東京に留学していたという女性ファンは体育大生意に語ってくれた。彼女が日本に行った時に最初に目指したのは羽生結弦の故郷の仙台。羽生結弦が子供の頃に練習したスケートリンクを見るだけのために、何時間も夜行バスに乗って金曜日の夜に仙台に到着し、次の日の夜には帰路に着くという厳しい日程の旅をしたこともあったと言う。

中国ファンの経済力も同じく並外れている。別の中国人女性ファンは体育生意に、羽生の試合を応援する為ならわざわざ海外まで出かける、これまでにもフィンランドやカナダなど色々な所に行ったと話してくれた。あるファンによると、場合によっては羽生が出場するかどうかもわからないが、それでも現地で羽生結弦を生で見たくて賭けのように事前にチケットを買うことがあると言う。もし羽生結弦が出場すれば願いは叶うが、そうでなければ経済的な損失になる。しかしそんな不確かな機会であってもファンたちは喜んでそれに賭けるのだ。

 

商業的価値は高止まり  CITIZENとの契約に中国ファンが歓喜

いつも寄り添うファンの応援は羽生結弦の商業的価値も生み出している。スポーツの中でフィギュアスケートの選手の商業的価値はこれまで殆ど語られることがなかったが、羽生結弦はこの種目の中で独自の道を歩んでおり、まるで大黒柱のような存在になっている。他の人気スポーツにも全く引けを取らず、後輩選手が肩を並べることも難しいレベルである。報道によるとソチオリンピックで金メダルを獲得した時点で羽生の広告料は日本円で1件5,000万円、平昌オリンピックで連覇を遂げた後は、この数字も上昇し、8,000万円となり1億円に迫る勢いであるとのこと。これは日本のアスリートの中でトップレベルである。

近年羽生結弦フィギュアスケート種目を強力に支配し続けており、国際スケート連盟日本スケート連盟を含む多くの人がその恩恵に預かっている。例えば、アイスショーのチケットの売り上げ、衛生用品の売り上げなどを通して日本スケート連盟が得る収益は数十億円、更には百億円近くにも達している可能性がある。しかし少し残念なのは羽生には無限の商業的価値があるにも関わらず、完全には活用されていないことだ。彼はマネジメント会社と契約をせず日本スケート連盟の所属になっている為、商業的な活動への進出も制限されるのだ。ここ数年で羽生は全日空、P&G、雪肌精などのブランドと契約したり、故郷仙台の観光のイメージキャラクターを引き受けたりしている。

(続く)