kuppykuppy’s diary

中国語で書かれた羽生結弦選手関連の文章を色々と翻訳しています。速報性皆無のマイペース素人翻訳ですが、よろしければお読み頂ければ嬉しいです。 Twitter:@kuppykuppy2020

百度に掲載のプロローグ横浜公演感想「これってオリンピックの開会式ですよね!羽生結弦の初のワンマンアイスショーは想像を超越していた! 」

この方の美しくて優しい文章、大好きです。

百度などで頻繁に羽生さん関連の文章を書かれているファンの方による、プロローグ横浜公演の感想。

 

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朧に霞む幽玄の世界。天上に昇るような、深い海に潜るような。これこそが羽生結弦がもたらす極上のフィギュアスケートの視覚の喜び。

 

羽生結弦の初のワンマンアイスショー『プロローグ』の横浜公演は11月5日に成功裡に幕を閉じました。2日間の公演は両日とも超満員。1万6千人以上の現地観覧者、3万人以上の映画館での観覧者、そして2日目にはライブ放送もあり、世界中の人々がリアルタイムでこの視覚の饗宴を楽しみました!そして羽生結弦がもたらす全く新しいフィギュアスケートの美しさに心を震わせたのです!

 

羽生結弦のこのアイスショーを一つの言葉で表すのは難しいのですが、彼が見せたのは誰も見たことがない、様々な芸術を融合させたパフォーマンスでした。どうしても言葉で表せと言われるならば、私は正に「羽生結弦フィギュアスケート」だったと言いましょう。

 

特に羽生結弦が自身で作ったという『いつか終わる夢』。

 

それは伝統的な「フィギュアスケート」の形ですらありませんでした。

 

ジャンプがなく、スピンもなく、あったのはスケーティング。心のままのスケーティング、流れるようなスケーティング、優美なスケーティング。

このプログラムは羽生結弦が練習の最後に毎回行うクールダウンの動作をイメージしたものです。前からファンたちが見たいと願っていた「大好物」の動作。羽生結弦は語っています。『いつか終わる夢』の曲を聴きながらクールダウンをしている時、その動きとこの曲がぴったり合うことに気付いた。そう言えばファンの皆さんもクールダウンが好きだと言っていたし、これを一つのプログラムにしようと決めたのだと。

 

クールダウンは練習やスケーティング技術のテストに使われる動作です。一見簡単ですが、選手の基本的な技術が試される構成になっています。そして羽生結弦ならひたすら滑るだけでプログラムに込めた思いを伝え、プログラムの内容を豊かに表現できるのです。

 

更に羽生結弦は幻想的なライティングや氷上に映し出されるプロジェクションマッピングで、このプログラムを本物の芸術品に仕上げました。

 

静寂の中、幕が上がる。氷上で万物が蘇り、羽生結弦の足元から生命の川が流れ出す…

 

運命の巨大な流れは大きく波打ち、逆巻く。変幻自在を極める波と雲の間でどれだけのものを転覆させ、どれだけのものを沈め、そしてどれだけの激流を起こすのでしょうか…

 

人生はまるで海。しかし夢がいつも彼の心強い翼になります…

 

どん底にいるあなたを抱き締め、あなたを支え、あなたに新たな希望を授けてくれる…

 

真っ暗、灯る、光を受け止めて、応援、夢、ただ滑る、希望、想い、水面、分かっている、感情、怖い、独り、消える力、世界、呼応……

 

ライトが再び暗くなり、彼の足元から文字が生まれて来ます。

 

ここからはこれまでの全ては序章。

 

これはいつかは終わる夢、そして永遠に終わらない夢。

 

夢のようで幻のようで。水の中で人魚が歌っているようであり、空中で精霊が舞っているようでもありました。羽生結弦のこんな幻想的な演出をサポートしたのが日本のトップ舞台芸術家であるMIKIKO氏でした。

彼女は大好評を博したリオデジャネイロオリンピック後の「東京8分間」の総監督であり、2020年の東京オリンピック開会式の舞台デザイナーを務める予定であった方です。

 

この『いつか終わる夢』だけではなく、アイスショーのラストの曲『春よ、来い』の煌びやかで伸びやかな氷のライティングもMIKIKO氏が羽生結弦のためにデザインしたものでした…

 

「演出をMIKIKO先生にお願いしました。」

「初めてここまで本格的なプロジェクションマッピングも含めて演出としてやって頂いたので、また皆さんの中でフィギュアスケートのプログラムを見る目が変わったと思うし、実際に会場で見る、近場の自分と同じ目線で見るスケートと、上から見るスケートと、カメラを通して見るスケートって、全く違った見え方がすると思うので、ぜひぜひそういうところも楽しんで頂きたいなというプログラムです。」羽生結弦は初日のショー終了後のインタビューでこのように語りました。

 

そう、自身のこのアイスショーの「総監督」として羽生結弦が考えたこと、行動したことは単なる「フィギュアスケート」の範疇を超えていました。彼は卓越した芸術表現力、技術力、美的感覚、実行力、そしてもちろん財力も躊躇わず使って、歴史上例のない、比類のないフィギュアスケートのショーをこの世界に捧げてくれたのです。

 

ショーが終わった後、ネット上にこのようなコメントが出てきたのも無理はありません。

 

「私が見てるのは本当にオリンピックの開会式じゃないの?」(心から同感です!)

 

羽生結弦はどうして2020年の東京オリンピックの開会式に出なかったの?彼がこのプログラムで出演したら、東京オリンピックの開会式は救われたのに!」(うん、でも東京オリンピック夏季オリンピックなんですけどね!)

 

「2030年札幌オリンピックで開会式にはこれをやると申請したら招致が叶うはず!」(もし招致できたら、羽生結弦が開会式に出てくれますように)

 

……

 

ですから私たちは最後にこの問いに答えましょう。羽生結弦の『プロローグ』が始まる前はどんな想像をしていましたか?実際はその想像に応え、そして想像を超えるものでしたか?

 

答えはきっとイエスですよね。

 

それはあらゆる想像を超越したパフォーマンスでした。