kuppykuppy’s diary

中国語で書かれた羽生結弦選手関連の文章を色々と翻訳しています。速報性皆無のマイペース素人翻訳ですが、よろしければお読み頂ければ嬉しいです。 Twitter:@kuppykuppy2020

2020-2021年シーズンのルール改定について

2020-2021年シーズンの新ルールに関する文章を2本翻訳しました。

 

1つ目は网易のスポーツアカウントによる文章です。

2020-05-14 18:04 快意体讯

羽生結弦を引退に追い込みたいのか?国際スケート連盟の新ルールが人々の怒りを招いている   ジャンプの難度と点数が釣り合っていない」

先日、国際スケート連盟がまた新しい文書を発表した。内容は新シーズンのルール改定について。このルールが公表されるや否や、あちこちのネットユーザーの間で熱い議論が巻き起こり、多数の反対の声が上がっている。

 

まずは新しいルールがどのようなものかを見てみよう。

(訳者:新ルールの説明は省略いたします。)


まず考えるのは、ルール改定が選手に及ぼす影響だ。彼らはこれまで進めてきた試合に向けての調整をルールに合わせて急遽修正せねばならなくなる。2020年のフィギュアスケート世界選手権は感染症の拡大が原因で半年延期されることになった(訳者注:既に中止が確定されていますが原文のままです。)とは言え、やはり度重なるルール改定は現在懸命にトレーニングをしている選手達の調子を狂わせることになる。

 

そして、頻繁すぎるルール改定は選手達が長期的なビジョンを描く上での大きな妨げにもなる。

 

その選手の得意な技やトレーニングの方向性、そしてアスリートとしての成長は自身の身体能力以外に、時代の変化やルール等とも切り離せない関係にある。だからこそ国際フィギュアスケート連盟はもっと選手たちの身になってよく考えるべきなのだ。


周知のように、羽生結弦が以前に怪我を負ったのは4回転ルッツの練習時であった。このジャンプを跳べる者が世界中に5人以下しかいないことから、その難度がいかに高いかがわかる。

 

4回転ルッツの点数の変更により、この技の難度は過小評価されることになる。点数と難度が釣り合わず、このジャンプを得意とする選手達はアドバンテージを失うことになってしまう。

 

また、競技スタイルの方向性を固めていた選手達にとってはこの度の改定は間違いなく引退を迫られるに等しい打撃になる。

 

これを見て思い出したのが、これまで行われた国際卓球連盟によるルール変更だ。スポーツの大会ルールは全ての選手達に公正公平な競技の場を提供する為のものであり、決して優秀な選手を押さえつけたり、全員を所謂「同じスタートライン」に立たせたりするものであってはならない。

 

競技の世界では絶対的に優秀なトップ選手の存在は許されないのか?表面上は闘いの場での公平性を堅持して「競技」を尊重しているように見える。しかし実際には古い格言の通り、どんな業界にもトップに立つ者は出てくる。ピラミッドの頂点に立つ者がいる中で懸命に上がって来ようとする者を支援しようとするならば、頂点にいる者を引きずり下ろすのではなく、皆が頂点に行けるように、皆が更に素晴らしく更に「牛」(訳者注:“牛”には“凄い”という意味もあります)な人間になれるように全力で応援するべきなのだ。

 

 

そしてこちらは微信アカウント花滑花花さん(試合実況でお馴染みのあのお方ですね!)による2020年5月14日の文章です。

「ISUが2020-2021年シーズンのルールを改定  一番の勝者は彼らになるのか……」

(訳者:最初に新ルールについて詳しく説明されていますが、省略させていただきます。)

 

改定されたフィギュアスケートのルールを見て、狐につままれたような気持ちになり、ハテナマークで頭がいっぱいになり、言葉を失って呆然としなかった人がいるだろうか?

 

シーズン中にルールを変えることが選手に及ぼす影響の大きさについては今は置いておくとして、4回転ルッツの点数がどんどん下がるこの状況だけを見てもすすり泣きたくなる。この高難度のジャンプを跳べる選手は決して多くない状況で、ISUは新ルールの中でも相変わらず選手達のジャンプの質と能力の向上を目指そうとはしていない。それどころか鳴り物入りで点差を無くしててジャンプを抑制しようとする有様である。また、新しく導入される“q”はGOEによる操作の余地を更に大きくする。角度を測定する電子機器が導入されていない大会の現場で、ジャッジはどうやって迅速にジャンプの回転不足が90度に達しているかどうかを判定して“q”マークを付けるというのだろう。それに90度に満たない回転不足には何の記号も付けずGOEを減らすと言う手法、これで各選手に対する公平性が担保できるのだろうか?

 

目下、女子シングルの4回転ジャンプの争いは日々激化している。この度の新ルールにおける4Lzの点数の変更が、表彰台を独占しているロシア女子選手をターゲットにしているのか、我々にはまだ何とも言えない。しかし【正しい】ジャンプの中では4Lzの難度は4Aに次いで高いことは周知の事実。この度の新ルールでは4Lzの点数が4Fと同じレベルに引き下げられ、同時に4回転Loの点数が4Lzと同じレベルに引き上げられている。これは試合で正しい4Lzを跳べる選手にとっては間違いなく一種の打撃である。

 

これまでに試合で4Lo を跳べた選手は決して多くない。単にBVの点数を見るだけでは十分とは言えない。注意すべきなのはこの度はGOEに関しても大きな改定がされていることだ。私たちは点数に注目すると同時にGOEが点数に及ぼす巨大な影響力を忘れてはならない。GOEが±3から±5の時代になってからはジャッジが選手に下す判定はより細かいものになったが、それが私たちの思いもよらない結果をもたらしていることが少なくない。今回ルールが更に変わったことで、GOEの影響力は一層大きくなり、ジャッジの選手に対する主観による評価の割合が今まで以上に高くなると言えよう。このような状況が続く中、フィギュアスケートはジャッジの主観の公平性を確保できるのか。それは新シーズンの試合が始まってみないとわからない。

 

刮目して待とう。