kuppykuppy’s diary

中国語で書かれた羽生結弦選手関連の文章を色々と翻訳しています。速報性皆無のマイペース素人翻訳ですが、よろしければお読み頂ければ嬉しいです。 Twitter:@kuppykuppy2020

凛として純粋で怯まない美しさ…これが羽生結弦の2019年の最も美しい瞬間

今年も残すところあとわずか。

ふとしたきっかけで夏頃から中国のネット記事や微博などの翻訳を始めましたが、読んでくださる方々がいらっしゃって本当にありがたかったです。

旬の話題を迅速に取り上げることはなかなかできないのですが、来年も楽しみつつ、続けていきたいと思っています。

 

 私の大好きな抻面鸡架yuzuさんが12月28日付でこの一年の美しい瞬間をまとめて下さったので掃除の合間に翻訳しました。リンク先に美しい写真たちがありますので、是非ご覧ください。

 

 

こうして2019年もそろそろカウントダウンの時となりました。

この一年を振り返ると、ひたすら羽生結弦を追いかけた笑顔あり涙ありの日々でした。一年の終わりにあたり、鶏架(←筆者のお名前)が完全なる主観により、私の見た羽生結弦の2019年の最も美しい瞬間をまとめたいと思います。

最初に断っておきます。この「一年のまとめ」は完全に鶏架の個人的な主観と感想によるものです。この一年に私が感動した瞬間であり、ただただ私個人が思ったことですからね。

それでは始めますよ。

 

戦場で闘い続ける戦士
2019年3月19日から24日に行われた日本の埼玉での世界選手権。

黄砂百戦金甲を穿つも、この戦士羽生結弦楼蘭を破らずんば終に還らず!

(←唐代の詩人、王昌齢の詩から引用しているようです。「黄砂の戦場で百戦し、鎧甲にも穴が空いたが、桜蘭を破らないうちは死んでも帰らない。」)

おそらくこの夜からではないでしょうか。私たちが「フィギュアスケートを見るときに、何を見るのか?」と問い続けるようになったのは。

 

「こんなことをする有名人を見たことがない。」

「何度も除幕式に参加してきたけれど、有名人がこんなことするのを初めて見た!その世界の第一人者が自ら幕の布を片付けるなんて。」2019年4月20日に仙台で行われた羽生結弦の2つ目のモニュメントのお披露目式の後で、ある撮影記者がこのように書きました。彼が言っているのはこのことです。モニュメントの除幕後、羽生結弦はとっさに腰をかがめて床に落ちた布を拾い上げ、立っていた市長に手渡したのです。

 

肋骨(弱さ)であり鎧兜(強さ)でもある   優しくて強い人
2019年5月24日、2019年のFaOIがスタート。羽生結弦は全ての公演に出演し、新しく作った2つのショーのプログラムを披露しました。
《Masquerade》はテクニックや振り付けよりも感情によって突き進むプログラムだと言えるでしょう。赤と黒、シルクと皮の衝突。肋骨であり鎧兜でもある。偉大な闘士!心優しいヒーロー!

 

聞いて、人魚が歌ってる!
クリスタルはキラキラと輝き、あたり一面に光を放つ。
これまでに多くの人が羽生結弦の演技をクリスタルに例えてきました。

そしてこの度、羽生結弦が自らクリスタルを表現することに。《Crystal Memories》。聞いて、ほら、人魚が歌ってる!

 

「中国に行く可能性があります。」
2019年8月22日、羽生結弦CITIZENの中国及び香港マカオ地区のアンバサダーになりました。

「中国に行く可能性があります!」この言葉は2020年に実現するのでしょうか?

 

天と地の大いなるを知りし者、草木の青さを慈しむ
2019年8月24日、羽生結弦は北海道の地震の被災地を訪問し、24時間テレビに出演。松任谷由実清塚信也とのコラボレーションで《春よ、来い。》を演じました。心優しい人物が少年時代に災害に遭ったなら、生涯それを忘れることはできないでしょう。北海道で演じられ、桜色の春を呼んだこの演技は勿論とても美しいものでした。しかし私が一番美しいと感じたのはこの一幕——彼がハスカップ農場のご婦人の手を握り、跪いて話を聞いていたシーンです。

 

荒野に咲く真っ赤なツツジの花、繭から生まれ出た蝶たちが集う

2019年9月12日から14日、 2019年のオータムクラッシックが開催され、羽生結弦が今季初めて姿を現しました。2つのプログラムは昨季からのものを持ち越し。一新したコスチュームには不公正な採点に怯むことなく抗う少年の強い意志が表れていました。新しいコスチュームに表れていた思い——荒野で血を吐くように鳴くホトトギス、庄周が暁に見たのは夢か現か。(←深すぎて私には訳すのが難しいのですが、ツツジホトトギスが血を吐くように鳴くことから「啼血花」とも呼ばれるとのこと。そして唐代の詩人である李商隠の詩に、「庄周〔庄子〕は蝶の夢を見て夢か現かに悩み、望帝〔蜀の初代の王〕は荒れた世を憂うあまりホトトギスに化身した」という一節があるそうです。)

 

最高にロマンティックな帰還を遂げた、気概溢れる少年

2019年10月24日から28日、羽生結弦は2019ー2020年シーズンのグランプラシリーズのカナダ大会に出場。ショートプログラム《otonal》において3AのGOEは満点。新ルールにおいて初のGOE満点の3Aとなりました。そしてフリースケーティングの《origin》では、世界初の4T1Eu3Fを完璧に成功させました。でも何と言っても一番感動的だったのはやはりエキシビション《パリの散歩道》のロマンティックな帰還でした。

 

星空を仰ぐ王子、皆が貴方を仰ぎ見ていることを知っていますよね

2019年11月21日から24日、羽生結弦は日本に戻って来て彼にとってグランプリシリーズ2戦目となるNHK杯に出場しました。「ずっと9歳の頃の自分と競っている。9歳で初めて全日本ノービス選手権で優勝した時の自分、自信にあふれ、自信の塊だった自分自身と。」再びNHKの優勝トロフィーを掲げた羽生結弦はこのように語りました。無数の人が彼を仰ぎ見て、彼の歩みに付いていこうとする時、彼はこうして更に高いところを見上げているのでしょうか。仰ぎ見ているのは何?それはきっと真のフィギュアスケート

 

羽生結弦は偉大な英雄!
2019年12月6日の夜、2019年のグランプリファイナルの男子フリー前の公開練習が行われました。羽生結弦は前日のショートプログラムでミスをしてしまった上、コーチ不在の状況で練習を開始。そして公開練習の最後に皆を驚かせたのは何度も4Aにチャレンジしたこと。

彼は「多分勝てないだろう。」「でもこの会場に何か爪痕を残したい。」そんな絶望的な気持ちで、公開練習で4Aに挑んだのです。

何も言葉はありません。彼を「英雄」と讃える以外には。彼自身以外には他の誰にもGPFでの羽生結弦について批評する資格はない。そう思います。

その夜を越え、羽生結弦は25歳になりました。

 

Never be enough

2019年の末。12月23日、全日本選手権後のGALAにて、拳を握った少年が力いっぱい歌っていたのはこの曲《負けないで》:「負けないで、もう少し、最後まで走り抜けて!」
負けないで、その固く握り締めた拳で、2019年に別れを告げましょう。

負けないで、その飾らない無垢な姿で、もうすぐやって来る2020年を迎えてくださいね!

 

 

 

凛とした美しさ、親しみ深い美しさ、純粋な美しさ、怯むことのない美しさ、初心を持ち続ける美しさ…これが羽生結弦と言う仙台の少年、生身の身体に神懸かった美しさを見せる人。

勿論分かっています。たかだか十数枚の写真で羽生結弦の2019シーズンを語ることなどできないと。一人一人のファンの心の中にそれぞれの「羽生結弦の2019年一番の美しい瞬間」があるはず。みなさんどうぞコメント欄に貴方が思う羽生結弦の2019年の一番美しいシーンについて書き込んでくださいね〜